こんにちは、管理人です。
自動車運転における交通事故にケガは付き物です。
自動車は重量がおよそ1トン(1000kg)もあり、そのような重い物体が時速何十キロのスピードで走ります。
そのため走行中の自動車同士がぶつかったら…、はたまた誤って歩行者を轢いてしまったら…場合によっては大怪我では済まない事態になり得ることも容易に想像できると思います。
自動車はとても便利な道具といえますが、もしも事故を起こしてしまうと大惨事となってしまうことはとても多いのです。
このため、万一の備えとしての自動車保険は自動車を運用する上ではとても重要な存在です。
本稿で紹介する『人身傷害補償保険』は、交通事故による人身傷害(怪我)に関する保険項目です。
人身傷害補償保険に加入していれば、交通事故でケガをしてしまった際に保険金が下りるので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
任意保険(自動車保険)の全体像を図にすると下記の様になります。
任意保険の種類 | 保険の名前 |
---|---|
賠償責任保険 | 対人補償保険 |
対物賠償保険 | |
傷害保険 | 搭乗者傷害保険 |
自損事故保険 | |
無保険車傷害保険 | |
人身傷害補償保険 ← これ | |
車両保険 | 車両保険 |
目次
自賠責保険と任意保険の違い
自動車保険と一口に言っても、加入すれば自動車事故におけるあらゆる損害を補償してくれる、という単純な仕組みではありません。
自動車保険はその補償内容によっていくつかに細分化されます。
まず覚えておきたいのは、自動車を保有する際に加入が義務付けられる自賠責保険と、任意で加入する任意保険の2つに大別されるという点です。
自賠責保険は加入が義務付けられているためもし未加入で自動車運転をすると道路交通法違反となり厳罰が科せられます。
また自賠責保険の保険内容は総じて限定的で、万一の備えとしては脆弱と言わざるをえません。
自賠責保険だけでは不十分
例えば自賠責保険の対人補償は死亡時で3000万円まで、重大な後遺症が残る怪我の場合は最大で4500万円の保険金が下ります。
こちらの過失であることが大きいと判断された場合の事故で、相手を死亡させてしまった場合、その賠償金として3000万円の保険金が下りるということです。
しかし、こちらの過失で死亡させてしまった場合の賠償額は3000万円では収まらないのが実情です。
死亡事故の場合、その賠償金は億単位になるケースも珍しくはないからです。
この一例を考えても自賠責保険だけでは万一の補償としては不安が残ります。
そこで加入がほぼ必須という意見も多いのが任意保険です。
人身傷害補償保険は傷害保険のひとつ
自賠責保険の保険適用項目には保険加入者自身の怪我に対する補償は一切ありません。
相手に対する怪我に関しては上記で述べた対人補償がありますが、自身が怪我を負った場合はその過失割合にかかわらず補償されません。
自動車保険は保険加入している自動車の搭乗者、つまりドライバーである自分や、同乗者の怪我に適用される保険は『傷害保険』です。自賠責保険には傷害保険が無いのです。
このため交通事故で自分や搭乗者が怪我をしてしまった場合、その治療費に保険金が下りるようにしたい場合は任意保険の傷害保険に加入する必要があります。
任意保険は大きく分けて3つのグループに大別されます。
任意保険の種類 | 内容 | 自賠責保険の適用範囲 |
---|---|---|
賠償責任保険 | 相手に損害を与えた時の賠償金を補償する | ◯ |
車両保険 | 自身の自動車の修理代を補償する | × |
障害保険 | 自分や同乗者の怪我を補償する | × |
人身傷害補償保険を含む4つの傷害保険とは
傷害保険は保険加入している車の搭乗者の怪我を対象とした保険であり、4つに細分化されます。
傷害保険の種類 | 補償範囲 |
---|---|
搭乗者障害保険 | 全ての搭乗者の怪我を対象 |
自損事故保険 | 自損事故の怪我を対象 |
無保険車傷害保険 | 補償される賠償金が極端に少ない場合に適用 |
人身障害補償保険 | 過失割合を問わず全額治療費を補償 |
まず運転者を含めたすべての搭乗者の、事故による怪我を対象に保険金がおりる『搭乗者傷害保険』。
自分が怪我をしただけの自損事故での怪我を補償する『自損事故保険』。
相手の過失で起きた事故で、自分が怪我をしてしまった場合に、相手が対人賠償保険未加入や自賠責保険加入のみで補償される賠償金が極端に少なかった場合に適用される『無保険者傷害保険』。
そして4つめが『人身傷害補償保険』ですが、こちらは交通事故で自身が怪我をしてしまった場合、こちらに過失があっても全額治療費を補償してもらえるという保険内容です。
このため上記の搭乗者傷害保険と一見すると良く似ています。
人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険の違い
前項目で4つある傷害保険について簡単に解説しましたが、搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険はどちらも自身が怪我をした時に適用される保険であり、両者の違いがわかり辛いと思います。
意外と忘れがちな両者の違いは、搭乗者傷害保険は保険加入している自動車に搭乗しているときのみの事故が対象ですが、人身傷害補償保険は保険に加入している被保険者が別の車に乗っていた時や歩行中に自動車事故に巻き込まれた時でも適用されます。
搭乗者傷害保険は予め定められた保険金が下りる
搭乗者傷害保険は事故で怪我をした際に予め定められている怪我に応じた保険金が治療費として受給できます。例えば入院の場合は1日〇万円支給といったように予め下りる保険額が細かく決まっています。
怪我の箇所と症状によって定められている場合もあります。例えば片足を骨折したら〇万円、といった感じです。
予め下りる保険金が決まっており、事故の過失割合などは考慮されません。そのため比較的手続きがスムーズな保険項目と言えます。
過失割合に関係なく補償される人身傷害補償保険
一方、人身傷害補償保険は事故で負ってしまった損害額(治療費)を全額受け取ることができます(予め定められた上限はあります)
もし過失割合で相手に過失がある場合、その賠償金請求権は保険会社に移ります。そのため搭乗者傷害保険と同様に事故の過失割合の有無にかかわらず、怪我の治療費を保険金として受け取ることができます。
大切なポイントは相手に過失がある場合、賠償請求権が保険会社に移り、それを含めた損害額を全て保険金で下りる、という点です。
例えば交通事故を起こしてしまい、自分が怪我で1000万円の損害を負ったとします。そして事故の過失割合は自分が3、相手が7だったとします。
この場合は損害の1000万円のうちの7割、700万円を相手に損害賠償請求することが出来ます。
ここでもし人身傷害補償保険に加入していれば、即座に1000万円が保険金として下ります。
そして700万円の賠償請求権は保険会社に移り、保険会社の取り分となりますが、即座に損害額の1000万円が下りる、というのが人身傷害補償保険の最大のメリットです。
こちらの過失分である3割の300万円も保険で補償されるというわけです。
賠償請求権が保険会社に移るということは面倒な示談交渉を保険会社に任せ、請求できる見込みのある賠償金額を保険会社が肩代わりしてくれるということです。
同時に加入しておくと重複して保険金が下りる
搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険は、どちらも事故の過失割合に関係なくそれぞれの基準に従って保険金が下ります。
どちらもその性質上、事故の過失割合は考慮されませんが、人身傷害補償保険は過失割合による賠償請求権が保険会社に移り、その分が保険金として即座に下りるという特徴があります。
この二つの傷害保険は、とりあえず事故で怪我をしたら過失割合に関係なくその治療費を補償してもらえるというシンプルな保険であり、両者を同時に加入していれば重複して保険金が下ります。
しかし保険会社の任意保険プランではこの二つの傷害保険はどちらか片方しか加入できないようになっているケースも多いです。
どちらにも加入できる場合でも、考え方としては、事故での怪我に対する損害の補償は人身傷害補償保険が基本であり、搭乗者傷害保険はそれにさらに上乗せできる保険、といった感じです。このためまずは人身傷害補償保険に加入するのが自動車保険における傷害保険の基本と考えるべきです。
まとめ・人身傷害補償保険は任意保険における傷害保険の基本
自動車保険で自身や同乗者の事故による怪我を補償してくれるのが傷害保険です。自動車保険の傷害保険は自賠責保険にはなく、任意保険のみです。
傷害保険のなかでも人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は同じ条件で適用される保険といえます。
搭乗者傷害保険は、事故で怪我をしたら過失割合に関係なくその症状によって予め定められた保険金が下ります。
人身傷害補償保険は怪我による損害を、同じく過失割合に関係なく全額補償してくれます(予め定められた上限はあります)
人身傷害補償保険の最大の特徴は過失割合に対する賠償請求権が保険会社に移り、即座に損害額が保険金として下りるという点です。自身の過失割合分も保険金で補償され、結果として損害額の全額が保険金として下ります。
手間のかかる示談交渉を保険会社に任せて即座に損害額が保険金として下りるという点が人身傷害補償保険の最大のメリットです。
搭乗者傷害保険と同時に加入していれば重複して保険が適用されますが、同時に加入できない任意保険プランは多いです。
搭乗者傷害保険は人身傷害補償保険の上乗せプランという性質があり、自動車保険における傷害保険の基本は人身傷害補償保険と考えるとよいでしょう。
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