こんにちは。管理人です。
今回のテーマは、任意保険の中の対物補償保険についてです。
任意保険の全体像については以前の記事『【任意保険とは?】どこよりも分かりやすい任意保険の仕組み』をご覧ください。
目次
そもそも対物補償保険とは何か?
自動車保険は大きく分けると加入が必須となる【自賠責保険】と任意で加入するに【任意保険】の二種類に大別されます。
任意保険はさらに3つの保険内容に分かれそこから細分化されることによって自動車保険の任意保険は構成されています。
このように説明するとかなり複雑そうな感じがしてしまうかもしれませんが、最終的には7種類の保険内容に分類されると考えればOKです。
つまり7種類の保険内容の違いを把握すれば自動車保険の概要はほぼ理解できたといっても過言ではありません。
本校で解説する『対物補償保険』も7種類の保険の一つです。
図にするとこんな感じです。
任意保険の種類 | 保険の名前 |
---|---|
賠償責任保険 | 対人補償保険 |
対物賠償保険 ← これ | |
傷害保険 | 搭乗者傷害保険 |
自損事故保険 | |
無保険車傷害保険 | |
人身傷害補償保険 | |
車両保険 | 車両保険 |
対物補償保険は任意保険の一部であるということが分かったところで、さっそく本題に入っていきましょう。
交通事故で賠償責任を負った時に補償される賠償責任保険
対物補償保険を簡単に説明すると以下のようになります。
『もし交通事故を起こしてまった際にこちらの過失で相手の車を壊してまった時、その車の修理費、及び賠償責任分も合わせて発生した賠償金額を補償してくれる保険』
類似の保険内容のものに【対人賠償保険】がありますが、この対人賠償保険と今回取り上げている対物賠償保険を合わせて【賠償責任保険】と呼びます。
もし、不幸にも交通事故を起こしてしまい、自分の不注意などで他人をケガさせてしまった場合は賠償責任が大きくなり、賠償金が非常に多額になる可能性があります。
そのため、どのような自動車保険に加入すべきかを検討する際には、特に大切な項目となるため、賠償責任保険、対物賠償保険に関しては理解を深めておくことをオススメします。
対人補償保険と対物賠償保険の違い
もし交通事故を起こしてしまい、その事故内容が明らかに自分に過失あると認定された場合、厳しい賠償責任が発生します。
そして、その事故で他人をケガさせてしまった場合はその治療費などの支払い義務が生じます。
このように相手の怪我など『身体的』な被害に対しての補償をしてくれる保険が前回紹介した『対人賠償保険』です。文字通り「対人」の補償です。
それに対して、相手の車が損傷した場合など、相手の『財物』対しての補償をするのが今回のテーマである『対物補償保険』です。
例えば赤信号待ちの渋滞で誤って前方の車に追突してしまった場合、駐車場で隣の車にぶつけしまった場合などは典型的な対物の賠償責任が発生します。
またはコンビニなどのお店に車が突っ込んでしまい、店の中の商品に損害を与えてしまった場合でも対物賠償の対象となります。
物に対する間接的な損害も賠償対象となります
単純に物の損傷だけでなく、例えば上記で解説したように車でコンビニなどのお店に突っ込んでしまったとします。
この時に使い物にならなくなってしまった商品などの補填はもちろんですが、お店の中がメチャクチャになってしまい、何日間か営業できなくなってしまった場合はその分『営業損失』も賠償の対象となります。
もう一つ例を挙げますと、こちらの過失で自分の車をタクシーにぶつけてしまい、そのタクシーを故障させてしまった。
この場合はもちろんタクシーの修理代は賠償対象となりますが、さらにそのタクシーは修理が完了するまで営業することが出来ず、タクシーの運転手は休業状態となってしまいます。
この『休業損失』も賠償責任の対象となり、自動車保険では対物賠償保険の補償範囲となります。
自賠責保険だけでは対応できない・・・
過去の記事でも紹介している通り、加入が義務付けられている自賠責保険に加入しておけば、法律上は問題ありません。
参考
『【自動車保険とは?】どこよりも分かりやすい自動車保険の仕組み』
『【自賠責保険とは?】どこよりも分かりやすい自賠責保険の仕組み』
しかし自賠責保険は任意保険と比べると補償範囲はかなり限定的であり、保険本来の意義である、もしもの時の備えとしてはやや不十分であると言わざるをえません。
現実問題として多くの人は自賠責保険では心許ないため任意保険に加入します。
なぜ対物補償保険に加入する必要があるのか?
自賠責保険だけでは不十分である大きな理由としては、自賠責保険では対物補償が一切されない点が挙げられます。
つまり自賠責保険の未加入の状態で、対物補償保険が含まれた任意保険に加入していない場合に交通事故を起こした場合、物的な損害については一切の補償が受けられず、請求された損害賠償金を全て自腹で支払うことになります。
もちろん、被害者との交渉もすべて自分で行う必要がありますので、補償額なども自分で交渉することになります。
たとえば、大した損害がなくても被害者に「壊れたクルマは修理ではなく、新車にしてほしい。」と言われた場合には、自分で交渉しなければなりません。
対人補償保険は超重要!でも、対物補償保険は?
もし交通事故を起こしてしまい、さらにこちらの過失で相手に大きな損害を与えてしまった時、場合によっては億単位の賠償責任が発生する可能性があるのが対人補償です。
多額な対人補償の例を挙げるなら、不幸にもこちらの過失で相手が死亡してしまった時、もしくは相手に後々まで後遺症が残ってしまうほど大ケガをさせてしまった時です。
これらの場合は少なくとも数千万円、多い場合は億単位の賠償責任がつくことは珍しくありません。
ここまで高額な賠償金を自腹で捻出するのはかなり厳しい話です。この点から、対人賠償保険は任意保険の中でももっとも重要な保険です。
絶対に加入が必要な保険と言っても過言ではありません。
では、今回のテーマである対物補償保険は・・・。
対物補償保険は、対人補償保険に次いで必須な保険です
対人補償保険に次いで大切なのはやはり賠償責任に関する対物賠償責任で間違いありません。
ぶつけてしまった車が高級車だったらその修理代も高額となります。さらに前項目で紹介した、間接的な、営業損失や休業損失の損害賠償もあり得るからです。
たとえば、鉄道の線路で立ち往生して電車を止めてしまった場合などは、数千万円の保証金額になりますし、仮に東京や大阪のような大都市圏で鉄道を止めてしまうと被害額もけた違いに大きくなります。
このため、保険会社が提供する任意保険のプランの中でも対人補償保険と対物補償保険は保険金が上限無制限のプランを選んでおくのが無難です。
交通事故における「過失」とは?
ここまで読んでいただいて、何度か「過失」という言葉が登場しましたが、交通事故における過失を簡単に説明すると「こちらに非がある」という意味です。
「こちらに非がある」というのは「故意に(わざと)」ということではありません。
交通事故で人を轢いてしまってもそれは故意に轢いたわけではありません。もし故意に人を轢けば傷害罪になるし、それで相手が死んでしまったら殺人罪です。
交通事故で誤って人を轢いてしまった場合は、もちろん故意では無いため傷害罪になることはありません。
しかし実際に事故が起きてしまったということは何かしらの人為的なミスがある可能性はあります。例えば前方不注意、信号無視、等です。
ドライバーの落ち度で交通事故が起きてしまった場合にはドライバーに「過失」があったことになり、それに対して責任が発生します。
もしその事故で他人がケガをしたり、車のような「財物」に損害を受けてしまったりした時、それらの損害は過失によって事故を起こしたドライバーに補填請求することが出来ます。これが過失による賠償責任です。
交通時の過失は?事故当時者の過失割合を算出します
交通事故の場合、例えば車で人を轢いてしまったとしても、100%ドライバーに過失があったかどうかは警察の調べでよく吟味されます。
例えば道路を横断している歩行者を轢いてしまった時を想像して下さい。もちろんドライバーは停止して歩行者の横断を待つべきです。
しかし、そこが横断歩道ではなかったとしたら?
歩行者も良く安全確認をしてから横断するべきでは?さらにそこは見通しの悪い道だったら?
このような状況だった場合、歩行者にも3割程度の過失はあったと判断されるかもしれません。
このように過失を考える際には、どちらに何割くらい過失があったか?という考え方をします。これが『過失割合』です。
過失割合を判断し、保険金を決めるのは保険会社です
例えば自分の車と相手の車がぶつかってしまい、相手の車はほぼ全壊だったとしましょう。
そして基本的にこちらに非がある事故だけど、相手の不注意もあったと判断され過失割合は7:3と保険会社が判断したとします。
この場合は車の修理費や過失による賠償などを含め算出された賠償金額の7割程度が保険金として下ります。
過失割合を算出するのはあくまで保険会社のため、この過失割合に納得が出来ない被害者は訴訟を起こしたりします。
しかし、保険会社も警察から受け取った事故証明を基に、過去に起こった判例を根拠に算出するため裁判を起こしてもひっくり返らないことがほとんどです。
だからこそ、いざという時に自分の味方になってくれる保険会社を選んで、保険に加入することが大切なのです。
まとめ・対物補償は対人補償に次いで重要です!事故を起こしたらまず通報を
対物賠償保険は対人賠償保険を合わせて賠償責任保険、という交通事故時に他人の損害を出してしまった時に発生する賠償金を補償する保険です。
交通事故でこちらに過失があるような事故の場合はほぼ必ず相手の損害を弁済する、賠償責任が生じます。
相手のケガをさせてしまったり、不幸にも死亡させてしまったりした時に発生する賠償金は対人補償保険、車などの、相手の財物に損害を与えてしまった時は対物賠償保険がそれぞれ適用され、補償されます。
対人賠償も対物賠償も事故の内容によっては非常に高額になる可能性があるため、どちらも任意保険では重要な保険項目といえます。
過失割合は警察が作成した事故証明を基に保険会社が割り出します。そのため交通事故を起こしたらまずは警察に通報しましょう。警察の事故証明が無ければ保険は適用されません。
以上のように対物補償保険は対人補償保険に次いで重視するべき保険です。
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