交通事故の片賠ってなに?

こんにちは、管理人です。

皆さんは「片賠」という言葉を聞いたことはありますか?

本稿では交通事故における片賠について説明したいと思います。

交通事故の片賠とは?

交通事故の片賠とは?
交通事故に巻き込まれてしまった場合や、自身の過失で交通事故を起こしてしまった場合は必ず示談交渉を行う必要があります。

示談とは和解の一種であり、「互いに譲歩してその間に存在する争いの停止を契約すること」と定められています。

和解のひとつである示談は民法に定められていて、この契約の中には被害者に対する補償金額も含まれています。

この補償金額について正しい知識を持っていないと、納得した補償が受けられないまま署名をしてしまい、結果的に不満が残る解決となってしまう場合もあります。

和解が成立すると同時に和解契約書、つまり示談書が作成されます。

この契約書の中に補償金の支払いや支払い方法、支払い期間などが細かく記載されています。

示談書を作成せず、口頭だけで内容を詰めてしまった場合は、後々「言った言わない」のトラブルに発展する可能性がありますので、必ず書面に残すように心がけてください。

示談交渉を進めていく上で、普段聞き慣れない言葉がたくさん飛び交うため、ただでえ難しい自動車保険や示談の交渉のハードルが上がってしまって和解が難しくなってしまう前に交通事故や示談交渉の知識を深めておきましょう。

交通事故における片賠について

交通事故における片賠について
片賠という言葉は交通事故における片賠方式のことを呼びます。片賠方式と交通事故の当事者のうち、片方のみに賠償責任が発生する場合を意味して、業界用語として片賠と呼ばれています。

具体的には以下のような事例があげられます。

例えば、車同士の交通事故を起こしてしまい、現場の状況などから過失割合が片方が0、相手側が90と判断されました。

この場合、相手側は90%までは賠償の範囲になりますが、残る10%は0と判断された方が負担することになります。

交通事故によって必要になってくる費用は様々です。お互いの車の修理代はもちろんのこと、負傷者がいれば通院・入院にかかった医療費や仕事をする上で車が必要になった場合、しばらく業務中に車での移動が必要の時は別の交通手段を手配する必要があります。

この合計費用が自賠責保険の限度額である120万を超えてしまった場合、残る10%は過失割合が0の運転者が自己負担する必要があります。

これは過失割合が0:100の意味と大きく異なってくるといえるでしょう。

通常過失と片側過失でどれだけ意味が変わってくるか、例を挙げて説明します。

【1】 10:0の場合
自身の損害額 過失割合 手への支払い 相 実質の合計費用
あなた 100万 10割 70万 170万
相手 70万 0割 0円 0万
【2】 8:2の場合
自身の損害額 過失割合 相手への支払い 実質の合計費用
あなた 100万 8割 56万 136万
相手 70万 2割 20万 34万
【3】8:0の場合
自身の損害額 過失割合 相手への支払い 実質の合計費用
あなた 100万 8割 56万 156万
相手 70万 0割 0円 14万

上記表のように、交通事故の過失割合が違うだけでここまで賠償金額が変わってくるので、
交通事故の過失割合は、その後の賠償金額の支払い等で非常に重要な指標となってきます。
なお、上記表のうち、片賠と呼ばれるものは【1】と【3】になります。

過失割合の判断基準について

過失割合に関する交渉は、どういった基準で算出しているのでしょうか?

全ての保険会社は、過去の裁判を基準に交通事故の過失割合を算出しています。

その際、過去の判例が掲載された1冊の書籍を元に考えられるケースがほとんどです。

その本は東京地検の裁判官が、訴訟に発展する前の示談解決の促進を図るために作成された書籍で、過去の裁判例を類型化してまとめた”判例タイムズ”という書籍名です。

交通事故の大抵のケースはこの判例タイムズに掲載されているので、自動車保険会社の担当はもちろん、交通事故の裁判に強い弁護士も、基本的にこれを所持しているほど、自動車保険業界に浸透した参考書籍となっています。

片賠は互いの譲歩点として利用されることもある

交通事故の双方の主張や議論を交わした上で折り合いをつける場合、互いの譲歩点として片賠という方式をとる場合があります。

見方によれば、過失割合が大きい方が少ない方に対する損害賠償請求権を放棄したと考えられるのではないでしょうか。

交通事故で損害を負った場合、その全てを必ず請求しなければならないという義務は存在せず、そもそも請求しないことも後から請求権を放棄する自由を持っています。

追突事故以外で交通事故の過失割合が0:100となるケースは非常に稀となります。

とはいえ、交通事故が発生した状況から被害者側が無過失を主張する場合で判断が非常に難しいケースの場合、片賠の解決方法を提示することが実際に起きうることがありえます。

相手が片賠を希望する理由・メリットは?

相手が片賠を希望する理由・メリットは?
それでは、相手側に片賠を希望することで、どんなメリットがあるのでしょうか?

加害者・被害者それぞれの視点で片賠を交通事故の和解方法として選ぶ理由をみていきましょう。

加害者側は片賠で自己負担額を減らすことができる

過失が大きい側にとって片賠を使うメリットは金額を減らせるメリットが大きいでしょう。

車両保険に加入していれば、あなたの車の修理費は全部出ますが、もしも加入していなければ、自己負担額かかなりの額になります。

さらに、相手への賠償金額の支払いも考えると、総合的な支出はかなりの額になってしまう可能性もあります。そのため、片賠で少しでも自己負担額を減らしたい・・・という思いが出てきます。

被害者は相手側への支払いがなく自動車保険の等級が守られる

被害者は相手側への支払いがなく自動車保険の等級が守られる
そもそも、自動車保険を使うことがなければ、翌年以降の自動車保険の更新の際、等級を守ることができると考えられます。

毎年の保険料が変わらずに済むというメリットが被害者側にあるといえるでしょう。

いかがでしたか?

交通事故の示談とは双方が主張をした上で譲歩の着地点をみつけることを指します。

特に交通事故の状況から過失割合の判断が難しい場合、示談解決の手段として片賠はひとつの和解方法になるといえるでしょう。

自賠責保険だけだと、もしもの交通事故に巻き込まれてしまった場合、十分な賠償を受けることができない可能性もあります。

いま一度、あなたが加入している自動車保険の見直しをしてみるのはいかがでしょうか?険を見直してみてはいかがでしょうか?

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