こんにちは、管理人です。
自動車保険に新規加入する時、自動車保険の契約は“6等級”からスタートし、1年間無事故であれば“7等級”にランクが上がりますが、7等級になると自動車保険がどのくらい割引になるのか知っていますか?
等級が上がった時の割引率や、また、逆に事故などで保険を使用して等級が下がった時の割増率は、自動車保険の保険料に大きく影響します。
今回は、自動車保険における等級制度の仕組みと、各等級における割増引率について解説します。
目次
自動車保険の等級制度とは
自動車保険における等級制度とは、「ノンフリート等級別料率制度」のことで、等級によって保険料が“割引”になったり、“割増”になったりする制度のことです。
ノンフリートとは
「ノンフリート」とは、“契約者が所有かつ使用する車が9台以下”の場合に適用するもので、車が10台以上になる契約は「フリート契約」といい、主に法人が契約者となります。
従って、一般家庭で契約する場合、通常は「ノンフリート契約」ということになります。
等級の区分
等級は1等級~20等級の20段階に区分されており、新規に契約する(前契約がない)場合は、原則として6等級からスタートします。
ただし、2台目以降の車を新規契約する場合は「複数所有新規(セカンドカー割引)」となり、他契約に適用されている等級が11等級以上であることなど、一定の条件を満たしていれば7等級からスタートします。
等級の上がり方と下がり方
1年間無事故で通して保険を1度も使わなかった場合、翌年は“1等級アップ”となります。
逆に事故を起こして保険を使った場合、翌年度は“3等級ダウン”となります。
ただし、下記の表のとおり、翌年に1等級下がる「1等級ダウン事故」や、保険を使っても等級に影響しない「ノーカウント事故」もあります。
事故の種類 | 主な事故内容 | 翌年の等級 |
---|---|---|
3等級ダウン事故 |
|
事故1件につき3等級下がる |
1等級ダウン事故 |
|
事故1件につき1等級下がる |
ノーカウント事故 |
|
無事故と同様の扱い(ノーカウント事故のみなら、翌年1等級上がる) |
等級の引き継ぎ
等級は、配偶者や同居している親族間ならば引き継ぎが可能です。
「2-1 新規加入時の割引率」で後述しますが、運転者年齢が若いうちは保険料が高くなるため、例えば「大学生の息子に父親の20等級を引き継ぎ、父親の車の自動車保険は新規で加入し直す」ことにより、家族全体の保険料を安くするといった使い方ができます。
各等級における割増引率
各等級における割増引率は保険会社によって異なっており、さらに新規契約なのか継続契約なのかによっても、割増引率に違いがあります。
新規契約時の割増引率
新規契約時の場合は6等級(6S等級)からのスタートとなり、保険会社にもよりますが「6A・6B・6C・6E」などと運転者年齢条件によって6等級をさらに細かく区分して、それぞれ違う割増引率が適用されます。
また、前述「1-2 等級の区分」のとおり、2台目以降の新規契約で一定条件を満たす「複数所有新規(セカンドカー割引)」の場合は7等級(7S等級)からスタートし、6等級と同様に運転者年齢条件によって違う割増引率が適用されます。
新規契約時におけるノンフリート等級の割増引率イメージは下記のとおりです(実際の割引率は保険会社によって異なります。下表は「ソニー損保:重要事項説明書(2017年4月以降始期用)」の数値を参考にしています)。
ノンフリート等級 | 運転者年齢条件 | 割増/割引 | 割増引率 | |
---|---|---|---|---|
6等級 (新規契約) | 6A | 年齢問わず補償 | 割増 | +28% |
6B | 21歳以上補償 | +3% | ||
6C | 26歳以上補償 | 割引 | -9% | |
6E | 30歳以上補償 | |||
7等級 (複数所有新規) | 7A | 年齢問わず補償 | -11% | |
7B | 21歳以上補償 | -40% | ||
7C | 26歳以上補償 | |||
7E | 30歳以上補償 |
上記の表のとおり、例えば6等級で「26歳以上補償」の場合は“9%割引”ですが、20歳以下で「年齢問わず補償」となった場合は“28%割増”となり、同じ6等級の新規契約でも運転年齢条件によって保険料に大きく差が出ることになります。
継続契約時の割増引率
継続契約の場合、等級だけでなく“事故歴の有無”によっても割増引率が異なっており、“事故有”の方が“無事故”に比べて保険料が高くなります。
継続契約におけるノンフリート等級の割増引率イメージは下記のとおりです(実際の割引率は保険会社によって異なります。下表は「ソニー損保:重要事項説明書(2017年4月以降始期用)」の数値を参考にしています)。
等級 | 割増/割引 | 無事故の割増引率 | 事故有の割増引率 |
---|---|---|---|
1 | 割増 | +64% | |
2 | +28% | ||
3 | +12% | ||
4 | 割引 | -2% | |
5 | -13% | ||
6F | -19% | ||
7F | -30% | -20% | |
8 | -40% | -21% | |
9 | -43% | -22% | |
10 | -45% | -23% | |
11 | -47% | -25% | |
12 | -48% | -27% | |
13 | -49% | -29% | |
14 | -50% | -31% | |
15 | -51% | -33% | |
16 | -52% | -36% | |
17 | -53% | -38% | |
18 | -54% | -40% | |
19 | -55% | -42% | |
20 | -63% | -44% |
6等級と7等級にアルファベット「F」がついて「6F等級」・「7F等級」となっているのは、“継続契約の6等級もしくは7等級”という意味であり、新規契約の6等級もしくは7等級とは別の割引率が設定されています。
ちなみに、1等級~5等級までのことを「デメリット等級」と言います。新規契約は原則6等級からスタートしますので、5等級以下ということは、事故を起こして保険を使った人の等級ということになります。
上記の表のとおり、等級が上がるほど割引率が高くなるので保険料は安くなり、20等級が最安となります。
逆に等級が下がるほど割引率が低くなるので保険料は高くなり、3等級以下になると割増になります。
最安の20等級になるためには、6等級からスタートして14年間ずっと無事故であればOKですが、事故を起こすたびに3等級ずつ下がってしまうため、事故が多い人は20等級になるまでに20年や30年以上かかる可能性があります。
新規契約から1年後の保険料割増引率
上記2-1と2-2の表をもとに、新規契約から1年後の保険料割増引率をイメージしてみましょう。
例えば、22歳(21歳以上補償)で新規契約して6等級(6B)からスタートし、1年間無事故で7等級(7F)にランクアップした場合や、1等級ダウン事故または3等級ダウン事故を起こしてしまった場合における、翌年の自動車保険割増引率は、それぞれ下記のようなイメージとなります。
等級 | 割増引率 | |
---|---|---|
新規契約時の割増引率 | 6等級(6B) | +3% (割増) |
1年間無事故だった場合 | 7等級(7F) | -30% (割引) |
1等級ダウン事故を1件起こした場合 | 5等級 | -13% (割引) |
3等級ダウン事故を1件起こした場合 | 3等級 | +12% (割増) |
実際の割増引率は保険会社によって多少異なりますが、1年間無事故で7等級にランクアップできれば、保険料は約-30%と、かなりの割引になります。
逆に3等級ダウン事故を1件起こしてしまうと、等級が6等級から3等級へとダウンしてしまい、保険料は約+12%と割増になってしまいます。
事故有の割引率を適用する期間
7F~20等級では、2-2の表のとおり “事故の有無”によっても割引率が異なりますが、この“事故有”の割引率を適用する期間のことを「事故有係数適用期間」と言い、下記の取り扱いとなります。
- 新規加入時の事故有係数適用期間は「0年」。
- 3等級ダウン事故1件につき「3年」を、前年の事故有係数適用期間に加算。
- 1等級ダウン事故1件につき「1年」を、前年の事故有係数適用期間に加算。
- 保険期間が1年経過するごとに、前年の事故有係数適用期間から「1年」減算。
- 事故有係数適用期間の上限は「6年」、下限は「0年」。
上記をもとに算出した事故有係数適用期間が「0年」の場合は“無事故”の割引率が適用されますが、「1~6年」の場合は“事故有”の割引率が適用されて保険料が高くなります。
まとめ
自動車保険における「ノンフリート等級別料率制度」とは、等級によって保険料が“割引”になったり、“割増”になったりする制度で、等級は1等級~20等級の20段階に区分されています。
新規契約の場合は、原則として6等級からスタート(2台目以降の新規契約で一定条件を満たす場合は7等級からスタート)しますが、運転者年齢条件によって違う割増引率が適用されており、年齢条件が低いほど保険料が高くなります。
継続契約の場合、等級が上がるほど保険料は安くなって20等級で最安となり、逆に等級が下がるほど保険料は高くなって、3等級以下になると割増になります。
さらに、7F~20等級では、等級だけでなく“事故歴の有無”によっても割増引率が異なっており、“事故有”の方が“無事故”に比べて保険料が高くなります。
この“事故有”の割引率を適用する期間のことを「事故有係数適用期間」と言い、上限は「6年」、下限は「0年」となります。
「事故有係数適用期間」の算出方法は、新規加入時は「0年」、3等級ダウン事故1件につき「3年」を加算、1等級ダウン事故1件につき「1年」を加算となります。
また、保険期間が1年経過するごとに「1年」減算されます。
これをもとに算出した事故有係数適用期間が「0年」の場合は“無事故”の割引率が適用され、「1~6年」の場合は“事故有”の割引率が適用されることになります。
実際の割増引率は保険会社によって異なりますが、1年間無事故で7等級にランクアップできれば、保険料は約-30%と、かなりの割引になります。
等級は保険料に大きく影響する制度ですので、安全運転を心がけて等級アップをしていきましょう。
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